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【憲法改正】各党党首に訊く 岸田文雄

文:松岡宏明(編集部)


緊急事態対応・自衛隊明記はまさに喫緊の課題
「任期中に憲法改正を」との思いにいささかも変わりなし!

三大原理、すなわち国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義。この基本理念は今後も揺らぐことはない、としつつも、他方で時代にそぐわない部分あるいは不足している部分、これについては果断に見直しを行っていく必要がある、こう語るのは自由民主党の岸田文雄総裁だ。

岸田総裁が重く見るのは、憲法が日本の法典の中で唯一、国民投票が定められた法典である、という事実、そして「政治は国民のもの」という自由民主党立党の精神である。

憲法改正について国民が真剣に考え、直接投票により意見表明を行うことは国民自らがあるべき国の形を真剣に考え、政治に直接参加して意見表明を行うことで改革を実現していく最大のチャンスである、このチャンスが国民に対して開かれているということは「政治は国民のもの」という自由民主党立党の精神に照らしても重要である、というのが自由民主党岸田総裁の考えである。

そして、議院内閣制をとる我が国において、岸田総裁は自由民主党総裁であると同時に、日本国の内閣総理大臣として自衛隊の最高指揮官でもある。そうした内閣総理大臣の立場からは安全保障にかかわる自衛隊や統治機構にあり方に関する緊急事態条項は今、国民に問うに相応しいテーマである、と語る。

とりわけ、自衛隊について我が国が戦後最も厳しく、複雑な安全保障環境に直面していること、その中にあって国と国民を守る国防は国家最大の使命であるという認識を示し、国防に必要不可欠な存在である自衛隊を憲法上明記することで自衛隊違憲論に終止符を打つことは国家の自立、独立、平和を守る意思を国際社会に示すという上でも、全ての自衛官が誇りをもって任務を全うできる環境を整える上でも極めて意義のあることだと、自衛隊をめぐる憲法改正の必要性を強調する。

岸田総理は最高指揮官として直接の服務宣誓を受ける中で、全ての自衛官が誇りをもって任務を全うできる環境を整えなければならないという思いをますます強くしているようだ。

 このような思いから、憲法改正を党是とする自由民主党総裁として、総裁任期中に憲法改正を実現したい、と幾度となく表明してきた岸田総裁は、今回のインタビューの中で、あらためて憲法改正実現への思いにいささかの変りもない、そう力強く断言した。

こうした中で、そもそも憲法改正の主役は国民であること、そして憲法改正が先送りできない重要な課題となっている現下、国民に憲法改正の選択肢を示すことこそが政治の責任であるにも関わらず議論を先延ばしにし、選択肢の提示すら行わないというのは責任の放棄である、と改憲論議に後ろ向きな政治勢力を岸田総裁は鋭く批判し、自民党に対しては国会での具体的な憲法論議と国民の理解の真価が車の両輪であると、檄を飛ばしたのであった。

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