<新刊のお知らせ>『一気に読める「戦争」の昭和史 改訂版新書』(扶桑社新書)

著者コメント:
 扶桑社新書より『一気に読める 戦争の昭和史』が7月1日刊行されます。KKベストセラーズから3年前に刊行した同題書の新書改訂版です。大筋の改訂はありませんが細部を多数修正し、当面の定本とします。
端的に言えば可能な限り当事者としてのその時に自ら立って、戦略的な観点から歴史を読み解いた本です。そこに戦史や人間ドラマ、思想史も織り交ぜてコンパクトな中で時代を浮かび上がらせようと努めました。
まだお読みになっていない方はぜひこの機会に私の戦前史観の一端をご一読くだされば幸いです。既に旧著を購読されている方も、この折に再読くだされば幸いです。→どっちにしても買ってくれということか?! あっそういうことになるね(笑)
〇新書版後書より
「私たちは、どうしても「日本」というと今の日本列島を思うが、当時の「日本」は、韓国を併合し、満州に広大な属国を持ち、中国大陸で連戦連勝中である。もしドイツが賢明に立ち回ってソ連と対立せずにイギリスを倒し、日本が東南アジアを支配したら(これは日米開戦直後に実現した)、援蔣ルートも止まり、中国まで日本に帰属するに至ったであろう。こうして空前のアジアの大帝国が出現する可能性はあったのである。それだけの規模の帝国を長期間維持する能力は日本にはなかったとは言え、当時の大日本帝国が破竹の勢いで拡大し続けていたのは事実である。ソ連だろうとアメリカだろうと、巨大化し続けるマグマのような侍の国を強烈に抑え込もうとするのは、寧ろ当然だったろう。しかもその頃の日本は、軍と外交の意思が分裂していた。何をしでかすか分からないという事だ。更に言えば、日本民族そのものが、言語も歴史も孤立し、国際コミュニケーション能力も乏しい。列強諸国から恐怖と猜疑と嫌悪で見られていたのは間違いない。これは誰が戦争を仕掛けたかとか、仕掛けた側が良いか悪いかという話以前の当時の「光景」なのである。」