【講演録】小川理事長Facebookより

5月25日に交詢社で講演(写真)、昨日は拓殖大学の公開講座で講義。いづれも現在の日本の全体主義化の危険と、明治維新に成功した最大要因としての「江戸思想」を論じた。
「近代国家システムといふのは法律の細分化、細かな人権の保護、権力の分散、資本主義市場の独立、など極めて複雑で大きな仕組みです。伊藤博文らが明治憲法といふ大変立派な憲法を起草できたのも凄いけれど、それをつつがなく運用できる社会が明治20年頃に既にできていて、殆ど混乱がなかつたのは、非常に不思議な事です。
これは幕末の志士が偉かつたとか、あるいは福沢諭吉ら明治の啓蒙思想家や薩長政権の優秀さなどだけに帰する事は、到底できないでせう。さうした短期的な対処能力の問題ではない。近代システムを作るのと運用するのは又別の話です。憲法だけ立派な国は世界に幾らでもあります。また経済力で説明するのも無理です。今でも近代システムを本当に運用出来てゐる国は少数しかない。何しろ、米中ロ三大国の内中国とロシアは近代システムで運用されてゐない。独裁制、いはば新たな帝政的な面が多分に残つてゐる。それ程近代国家システムを自前で回し続けるのは難しいものなのです。
近代システムの鍵は何か。
「自由」です。」
 そして自由は制度ではない。思想の問題だ、その鍵が江戸思想にあるといふのが私の論旨。
 今日は集団的自衛権論。ヴァグナー〈パルジファル〉を何とか二幕までバレンボイムで。山鹿素行。夕方から所用