【予告】 川端康成『雪国』のプレテキストを読む 【讀書の學】

平成28年11月5日(土)に開催される一般社団法人日本平和学研究所の月例講座「讀書の學」では、桶谷秀昭著『昭和精神史』(文藝春秋/文春文庫)の第十二章(『濹東綺譚』と『雪国』)の熟読講座として、川端康成『雪国』のプレテキストを取り上げる予定です。

『雪国』と言えば川端康成の代表作であると同時に、1968(昭和43)年に日本人として初めてノーベル文学賞を受賞した作品としてあまりにも有名ですが、1935(昭和10)年から太平洋戦争を挟み1947(昭和22)年までの12年間にも渡り書き継がれた作品である事や、はじめから長編作品として発表されたのではなく、様々な雑誌に発表された短編が後にまとまったものである事は、あまり知られていないのではないでしょうか。

 

<川端康成『雪国』年表>

出版年 出版社 詳細
1935(昭和10)年 文藝春秋、改造、他 「夕景色の鏡」、「白い朝の鏡」、「物語」「徒労」、「火の枕」、「手鞠歌」を短編として各誌に発表
1937(昭和12)年 創元社 上記をまとめて推敲し「雪国」として初版発行
1946(昭和21)年 鎌倉文庫 昭和12年創元社のものと同一
1947(昭和22)年 文論、文藝春秋、他 「雪中火事」、「天の川」を短編として各誌に発表
1948(昭和23)年 創元社 昭和22年の短編を加え、決定版『雪国』として刊行
1947(昭和22)年 新潮文庫 決定版『雪国』を文庫として出版
1952(昭和27)年 岩波文庫 決定版『雪国』を文庫として出版
1956(昭和31)年 角川文庫 決定版『雪国』を文庫として出版
1968(昭和43)年 日本人としてはじめてノーベル文学賞を受賞

11月の讀書の學では、発表当時と現在の『雪国』のテキストに於ける違いを見ていきますが、本日は予告として、まずは見た目の違いから紹介してみたいと思います。


●1937(昭和12)年に創元社から刊行された、
芹沢銈介による装幀の『雪国』
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●1947(昭和22)年、同じく創元社より刊行された決定版『雪国』

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●1971(昭和46)年、牧羊社より刊行された限定一千部の岡鹿之助による装幀挿絵の定本『雪国』

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ちなみに静岡市立芹沢銈介美術館では、現在『書物のよそおい』と題した芦沢氏によるブックデザイン展を開催しているそうです、詳しくは美術館公式ホームページをご覧ください。

現代ではデビュー作でいきなり長編小説を書く方も少なくありませんが、かつては作家のライフワークとも言われ、長編作家とされた人々が作品を途中で断念した例も多くあります。長編小説というものは、12年が費やされたこの『雪国』のように、その遍歴を追う愉しさもありますね。11月の讀書の學へご参加を希望される方は、下記詳細をご参照下さい。ご質問等のございます方は、info@psij.or.jpまたは03-6272-8738(平日9時から18時)までお問い合わせお願い致します。
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[日にち]11月5日(土)
[会場]千代田区三崎町3-6-15 貸し会議室内海3階
[開場]13:30
[講義開始]14:00
[講義終了予定]18:30
[完全撤収]19:00(講義の延長や補講を踏まえて)

[持ち物(推奨)]
小川榮太郎著『小林秀雄の後の二十一章』(幻冬舎)
桶谷秀昭著『昭和精神史』 (文藝春秋/文春文庫)
筆記用具
※小川榮太郎による著書は会場でも販売しております。

[参加費]平和研の本登録会員 :無料
仮会員・ビジター:3,000(初回1,000円引き)
※仮会員の方でも、当日一年分会費(25,920円)を お支払いの方は、 無料となります。

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<第一部>
和歌創作講座 講師:傳承文化研究所・小林隆代表
秋は和歌を詠むのに最も適した季節!創作と添削に重点を置いてお送りします。

<第二部>
テーマ:江藤淳――その生と死
テキスト:『小林秀雄の後の二十一章』より、江藤淳『漱石とその時代』――明治の憂鬱

<第三部>
日本平和学研究所学芸員プレゼンテーション
テーマ:ラディカルフェミニズム概論
プレゼンター:岡田鉄兵

<第四部>
テーマ:荷風の日本、川端の日本
テキスト:『昭和精神史』第十二章:『濹東綺譚』と『雪国』
今回は特に『雪国』のプレテキストを読み、現在出版されているものと発表当時の作品の違いを解説しながら、講義を進めます。

<< 留意事項 >>
・予習推奨(該当読んでくることは勿論、関連図書やその他に関するご質問を是非ご用意下さい)
・講座の動画、音声(和歌講座を除く)、資料(ある時のみ)を後日、本登録会員向けに無料配信致します
・講義に使用する本は各自でご用意ください。
・途中入退場は自由ですが、録画録音をしておりますので、お静かに願います。