「讀書の學」平成28年10月の様子

式次第

<第一部>
和歌創作講座
テーマ:百人一首は和歌の入り口(会場後方には貴重な光琳かるたを展示して頂きました。)
講師:傳承文化研究所・小林隆代表

<第二部>
テーマ:若き漱石・子規の群像――憂鬱な青春のパワー
テキスト:『小林秀雄の後の二十一章』より、江藤淳『漱石とその時代』――明治の憂鬱
講師:小川榮太郎

<第三部>
日本平和学研究所研究員プレゼンテーション
テーマ:戦後リベラリズムの背信
プレゼンター:山岡鉄秀(月刊正論、月刊Hanadaに朝日新聞、外務省、アジア女性基金の「背信シリーズ」を寄稿)

<第四部>
テーマ:支那事変と文学
テキスト:『昭和精神史』第十章:「支那事変」と文学、第十一章:戦争の文化体験

平和研からのお知らせ、記念撮影の後、自由参加の懇親会へ。

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【スタッフより】
初の試みである研究員によるプレゼンテーションでは、月刊正論、更に月刊Hanadaでは二ヶ月連続でTOP記事を飾った山岡鉄秀氏にお話頂きました。長い海外生活をしてきた視点から、朝日新聞、外務省、アジア女性基金に対するリアリスティックな問題提議が話題となっていた中で、更に現在も拠点を置くシドニーからの最新情報、加えて日本の戦後リベラリズムが海外で生活する人々、特に学校に通う小さな子どもたちにどのような影響を与えているかというエピソードの紹介では、参加者から怒りと悲しみのため息が漏れ、質疑応答を交えた議論も大変有意義なものとなりました。来月は、「ラディカル・フェミニズム概論」と題した岡田鉄兵研究員によるプレゼンテーションを予定していますが、こちらのテーマも戦後リベラリズムに深く根ざした、日本特有の歪んだ問題点を多くはらんでいると考えられることから、今から大変興味深く感じざるを得ません。

和歌創作講座では、来年1月に「讀書の學」の中で開催を予定している”源平かるた”について、ルールや心構え、読み手のコツなどをご紹介頂くと同時に、なんと大変貴重な光琳かるた(尾形光琳の描画があしらわれた有名なかるたです)をご持参頂き、会場に展示して頂きました!

しかしこうして見ると、現実世界と文化的創作という大変ギャップのある内容が並んでいるように思えるようですが、第四部のテーマでもあった「戦争と文学」というものを考える時、限りなく現実である戦争の間中に於いて、文学的な感情や精神の表現がどういった役割を果たすのでしょうか。また文学的であるということが現実的でないと言い切れないのも確かで、では戦争文学が大衆から必要とされたのは何故かと言えば、新聞が真実を伝えなかったからであるという実態が見えてきます。今回関連著書として取り上げられた『麦と兵隊』は、書籍を700部売った正宗白鳥が「大家」と呼ばれた時代に、なんと100万部を超えるベストセラーになったのだそうです。私自身が個人的に読んだ関連図書の保田与重郎著『蒙疆』にも、支那で出会った軍人たちから、どうか内地に真実を伝えてくれと言われる場面が登場します。戦時中の新聞報道が戦争を煽るものであったことは、保守派に限らず多くの人々にとってもはや周知の事実ですが、当時の人々さえも、調子の良いことしか書かない新聞に不信を抱き、自分の家族、息子たちや友人、恋人が、本当はどういった暮らしをしているのか、知りたくて仕方がなかったという気持ちが、部数に表れたのではないでしょうか。更に詳細な背景や時代精神については、毎週金曜日配信の動画と音声で是非ご視聴下さい。

ところで今回取り上げられた時事ネタは、国籍詐称の問題でした。突飛な解釈として、無国籍が平等で平和的であるかのような論調に出会う事もありますが、理事長からの斬新な提案として、無国籍や重複国籍が許されるのであれば、是非安倍総理に彼の国の国家主席や大統領も兼任して頂けば良いのではないかというものがありました。なるほど、確かにそれは名案かもしれないと一瞬だけ思いましたが、それが安倍総理ではなく別の人であったならばどうでしょう…。また、安倍総理が大嫌いな人から見れば、その状態をなんと思うでしょうか。つまり、無国籍や多重国籍というものは、実は独裁に通じるものなのですね。国家があり、一定の緊張感があって、均衡を保つということが、非常に大切なのだと気付かされました謝謝。

それにしても、休憩を挟みながら約5時間近い毎月の「讀書の學」では、本当に幅広い話題が飛び交い、会の後の懇親会でもまた話は尽きません。今までもそうでしたが、今月からは更にその幅が広がり、目の回る思いのスタッフなのでした。来月も、どうぞ宜しくお願い致します!

jikaiyokoku

<第一部>
和歌創作講座 講師:傳承文化研究所・小林隆代表
秋は和歌を詠むのに最も適した季節!創作と添削に重点を置いてお送りします。

<第二部>
テーマ:江藤淳――その生と死
テキスト:『小林秀雄の後の二十一章』より、江藤淳『漱石とその時代』――明治の憂鬱

<第三部>
日本平和学研究所学芸員プレゼンテーション
テーマ:ラディカル・フェミニズム概論
プレゼンター:岡田鉄兵

<第四部>
テーマ:荷風の日本、川端の日本
テキスト:『昭和精神史』第十二章:『濹東綺譚』と『雪国』
今回は特に『雪国』のプレテキストを読み、現在出版されているものと
発表当時の作品の違いを解説しながら、講義を進めます。

[日にち]11月5日(土)
[会場]千代田区三崎町3-6-15 貸し会議室内海3階
[開場]13:30
[講義開始]14:00
[講義終了予定]17:30
[完全撤収]19:00(講義の延長や補講を踏まえて)
[持ち物]小川榮太郎著『小林秀雄の後の二十一章』、
桶谷秀昭著『昭和精神史』
筆記用具
※小川榮太郎による著書は会場でも販売しております。
[参加費]平和研の本登録会員 :無料
仮会員・ビジター:3,000(初回1,000円引き)
※仮会員の方でも、当日一年分会費(25,920円)を お支払いの方は、 無料となります。

<< 留意事項 >>
・予習前提(読んでくることは勿論、質問や討議内容を予め各自用意しての参加)
・講義音声と資料を後日、本登録会員向けに配信致します。
・『小林秀雄の後の二十一章』解説は、全会員に無料で音声を配信致します。
・講義に使用する本は各自でご用意ください。
・途中入退場は自由ですが、録画録音をしておりますので、お静かに願います。

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